若手の学術的な活動

リウマチ膠原病内科の魅力は、診療と学術が隣り合わせにあることです。複雑で多彩な病態を前にすると、教科書だけでは説明しきれない場面に何度も出会います。だから私たちは、日々の診療を丁寧に積み重ねながら、最新の知見を学び、考え、患者さんの治療に結びつけていきます。

そしてもう一つ、目の前の臨床疑問を自分たちの研究によって「答え」に変えていける可能性がこの領域にはあります。誰かが作ったエビデンスを追うだけではなく、自分たちの診療と研究が次の一歩を生み出せる。その挑戦は、とても刺激的で、心からワクワクします。

数多くの学会へ参加する機会が多い

学会には、総会・疾患特化の専門学会・学際的学会・地方会など様々な種類があり、それぞ発表の内容やスタイルが異なります。
日本全国で開催されており、通常下記のスケジュールとなっています。(カッコ内は2025年度の開催地)

4月:リウマチ学会総会 (福岡)
9月:シェーグレン病学会 (金沢)
9月:アジア太平洋リウマチ学会(福岡)
10月:日本臨床免疫学会 (千葉)
12月:リウマチ学会関東地方会 (群馬)

加えて、内科学会地方会はほぼ毎月開催されており、当科ではローテーションしてくれている研修医・専修医の先生方と一緒に、症例報告・発表を通じて臨床力と学術力を磨く場として積極的に参加しています。
(写真は2025年12月の内科学会地方会。ローテーションしてくれてた内科専攻医の先生と共に)

学会発表だけでは終わらない

当科では、学会で発表した内容を「発表で終わらせず」、可能な限り論文化につなげていくことを大切にしています。症例報告や臨床研究は、発表を通じて一定の形になりますが、論文としてまとめる過程で初めて、背景・鑑別・病態・既報との違いが整理され、次の診療に還元できる“知識”として残ります。

もちろん、初めて症例報告を論文化するのは、想像以上に大変に感じることもあります。文献検索、考察の組み立て、投稿規程への対応など、慣れない作業が続くからです。ですが、当科では上級医と相談しながら段階的に進められる体制を整えています。テーマの設定から、抄録・本文の作成、推敲、投稿先の検討、査読への対応まで、チームで伴走しながら進めていくので安心してください。 そして、自分がまとめた報告が初めてアクセプトされた瞬間の感動は、きっと忘れられません。

「自分の臨床で得た経験が、医学の知識として世の中に残る」

その実感は、次の挑戦への大きな原動力になります。さらに、症例を深く考察することは、「今の医学で何がまだ分かっていないのか」「次に何が必要なのか」を見つめ直す作業でもあり、臨床医としての視野を確実に広げてくれます。もしかするとその経験が、より広い世界へ踏み出す第一歩になるかもしれません。

当科では「学会発表 → 論文化」までを一つの成長機会として位置づけ、臨床力と学術力を同時に高める文化を大切にしています。

2025年度は、専修医の先生方が全員それぞれ1件ずつ論文投稿に取り組み、無事アクセプトまで到達しました

リサーチプログレス

半年に1回のペースで、リウマチ膠原病内科の医局員全員が互いの研究活動を共有する場として「リサーチプログレス」を開催しています。主に医局の教員・スタッフや大学院生が発表しますが、専修医の先生の発表も歓迎しています。
当日は各発表に対してディスカッションの時間を十分に設け、研究の方向性や解析計画、発表・論文化に向けたポイントなどを皆で意見交換しながら、内容をブラッシュアップしていきます。

臨床研究トレーニング合宿の感想

患者さんの診断や治療方針を考える際、必要に迫られて少しずつ論文を読むようになり、「もっと深く理解できるようになりたい」という思いが強くなっていきました。一方で、実臨床で本当に知りたい情報は、教科書はもちろん、論文にも十分に書かれていないことが少なくありません。そうしたもどかしさが積み重なり、「自分がエビデンスをつくる側に回りたい」という気持ちが日に日に大きくなっていったのです。  そんな折、日本リウマチ学会のホームページで「臨床研究トレーニング合宿」の案内が目に留まり、今の自分に必要な学びが得られる機会かもしれないと感じ、気付いたらその日のうちに申し込みを行っていました。

当日は少し緊張しながら会場(写真)に到着し、オリエンテーション後にチーム分けが行われました。他施設の同世代のリウマチ膠原病内科医とまとまった時間を過ごし、率直に意見交換できたことはとても新鮮でした。合宿では、チームでクリニカルクエッションを策定し、研究計画へ落とし込む課題に取り組みます。ファシリテーターの先生方からは、これまで触れたことのない視点や方法論について多くの示唆をいただき、学びの密度の高さを実感しました。
 
短期間の合宿でしたが、夜には食事や懇談の機会もあり、同世代の先生方だけでなく、豊富な経験を持つ先生方とも直接お話しすることができました。緊張もありつつ、それ以上に刺激的で、純粋に楽しい時間でした。

最終日には、チームで検討した臨床研究テーマを全体の前で発表し、評価とフィードバックを受けて合宿を終えました。  医師として成長する楽しみは、病院の中だけにあるのではありません。病院の外に出て、知的好奇心を満たしながら学べる場があることを知れたのは、自分にとって大きな転機でした。また、同じ志を持つ同世代の仲間が多くいることを実感し、強いモチベーションにつながりました。 

臨床研究トレーニング合宿に限らず、学びと成長の機会は数多くあります。当科では、こうした機会を積極的に提案し、挑戦したい方をチームで支えていきます。

西原 正浩